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同僚(3)

2016年6月17日、金曜、曇り。◉退勤時刻に、隣の日本人同僚は無言で部屋を出る。バスにも先に乗っている。アパートに着くと、彼は煙草を吸いながらブラブラ歩く。僕は普通に入口に向かうので自然と距離が開く。しばらくロビーにいても来ないから、僕は一人でエレベーターに乗る。◉水曜の帰り、日本食街に行くか聞いた。行こうかと言うので、久々に一緒に食事をした。店は何処でもいいと言うので僕が決めた。二人とも定食なので、六時過ぎには食べ終わった。勘定しようかと言うと、まだ早すぎると言う。◉っんなら最初に言えよぉ。二軒目に行くなら、定食じゃ絶対時間が余るじゃん。もちろん二軒目誘ってくれたが、行かねえよ俺は。一月からやってるアレが片付くまで、絶対イヤ。まあ彼も行くと思ってないわな。半分は社交辞令か。◉駐在する日本人同士のコミュニケーションがうまく行かんのはよくある。嫁と姑がうまく行かないのと同じで、枠組みの方が先行して、結果として一緒にやってるだけなので 、仲良くなる方が稀だろう。相手はお前から情報が来ないと言う。俺は、だったら聞いて来いと思う。少なくとも普段口をきけと思う。そんな風で、会話はさらに減る。◉ある得意先で、同席した総経理が僕に話す内容と、製造責任者が僕に話す内容が、ほぼ全く別々であった。発言は交互だが、僕は関係のない二つの話題に受け答えした。お二人の心の離反の様子は、立派でさえありました。