同僚(2)

2016年4月1日、金曜、晴れ。◉製品の試作が難航し、また日本からスタッフが来る。一月の案件のテストランが早くても初夏になる。呑みながらその事を話しているうちに、だんだん気分が荒んできた。日を追うごとに、障害の原因予想の選択肢だけが増えていく。◉それってどういう事なんだ?と問えば、相手は不具合のメカニズムを説明してくれる。が、得てして技術畑の人間は説明が下手で、聞いてるとイライラする。そのお話は、一般の方々にとっては、どこが異常か解んねえんだよ。◉相手に悪気がないのは分かっている。こっちも酒が入っている。中国の事情も了解している。それでも、落ち着いて煙草をくわえ、ケータイいじってるのを見ると、俺には怒りが生ずる。どっから来るんですか?その余裕。◉次第に脳がヒートアップする。そもそも訊ねなきゃ説明がない事が気にいらん。メールのCCだけじゃ情況は分からん。納期を引っ張るにも、それなりに理由(言い訳)がいる。俺は歩み寄っておるのだ。「じゃあ説明するけど」的スタンスは何なんだ。本音を言えば、何でもいいから、もっと早く原因気づけよ!◉気分を変えてハイボールを頼む。けどダメだ、無理だわ。もう憤懣遣る方無いです。もしかしてあんたバカァ?恥知らずゥ?俺がクライアントだったら、とっくにもうお宅には頼まないって言ってるよ。店を出た所で、もう一軒行く?と誘ってくれたが断った。そ、そんなん行ぐがっボケッ!