映画音楽

2015年10月11日、日曜、晴れ。◉朝食ビュッフェのBGMで、久石譲の『菊次郎の夏』を聞く。中国でも久石作品はよく耳にする。『風の谷のナウシカ』、『天空の城ラピュタ』、『となりのトトロ』と続いて宮崎作品がヒットして、その音楽も独立して聴かれるようになった。日本の映画音楽では案外そういう事はなかった。◉久石以前、誰もが知る日本映画音楽とは何か?たぶん山本直純の『男はつらいよ』だけだと思う。あれは名曲だが日本映画の代表曲とするのはどうかなあ。◉昔『人間の証明のテーマ』が相当ヒットしたが、今の若い人はほとんど知らないと思う。日本では『ティファニーで朝食を』から『ムーンリバー』が生まれたような事はなかった。◉少し前にWOWOWで、作曲家早坂文雄のドキュメンタリーがあった。その解説が久石譲で、早坂作曲のあの歴史的名作『七人の侍』のテーマ曲は、独立した作品としては聞くに耐えないと言うのだった。(数十曲を聴き比べ、最後の最後に黒澤明が「コレだよ、コレっ」と飛びついた曲をである)おおっスゲーっ、俺もかねがねそう思ってた。だけどテレビでそれを言えるのは久石譲だけだわ。 ◉そうなのだ。エルマー・バーンスタインの『荒野の七人』は単独でも聞けるが、『七人の侍』はダメなのだ。早坂文雄は、完全に映画を支えるパーツとして音楽を作った。だからこそスクリーンで光を放つ。それはそれでエライ。けどなんかちょっと損だ。