印刷

印刷立ち会いにでかけた。ほとんどピース紺(古語)のベタに白抜き文字。最初の刷り出しは当然のようにちょっと色が違う。とにかく濃すぎるでしょこれじゃ、濃度下げて。◉少し浅くなった。けど、お客から来た色見本は、もう少し白っぽいし赤味が有ると思う。この辺から通訳を介して指示するのが難しくなる。この紺色を、薄く?白っぽく?明るく?浅く?濃度を下げる?して、少しだけ?僅かに?ほんのちょっと?赤味を、加えて?足して?欲しいの。自分の意図を通訳嬢に理解させる為に、何通りか表現を変えてニュアンスを伝える。それを中国語でオペレータに指示する段は、彼女の国語表現力が頼りなので、通訳にも文学的素養が必要です。◉じつは微妙に色を濁らせたかった。だけど諦めた。この場合濁らせる要素は黄色だ。間違えるとすぐに緑っぽくなる。刷り出しを見れば、オペレータの神経がどの程度か分かる。印刷機のコントロールキーは使って無い。今回は、ビミョーな事は無理なのだ。◉元来、印刷色が悪くてヒトが怪我をしたり死んだりする事はまず無い。ましてや相手が万事大雑把の中国人となれば、もう大概は没問題(メイウエンティ)である。ひと昔前は「原稿よりも俺の印刷の方がキレイだ」と主張する機長も多かった。◉無錫は桃が名物で、この時季色とりどりの贈答箱でたくさん売られている。あの箱は印刷不良率ゼロだという。版が正しくて色が着いてりゃあ、それで良いのである。