目標

2017年5月5日、金曜、こどもの日、快晴。◉衛星放送の録画「黒部の太陽」を見る。石原プロと三船プロの合作。トンネル工事のシーンは今でもリアルな迫力がある。全体に堂々としており、アメリカ映画と比べても絵的に遜色ない。昔はその辺が一番の見所だったが、年を食うと別のシーンに感心する。◉関西電力社長の滝沢修が視察にやって来る。トンネル工事は破砕帯に阻まれ大水が出ている。しかし会議では「金の事なら僕に任せてくれ」「破砕帯は必ず抜けます」と誠に頼もしい。ただ公式な会議のあと、関電社長は熊谷組の社長(柳永二郎)を別の座敷に呼ぶ。◉なんとしてもこの冬のうちに破砕帯を抜きたい、春になれば漏水が増えてしまう、三ヶ月でシールド工法を準備してくれ。関電社長は頭を下げ手をついて頼み込む。「どうでしょう、熊谷組さん」(と言ったように記憶します)それまでしきりに鳴いていたヒグラシが、滝沢の気迫を感じてぱたっと鳴き止む。◉「もう、ヤケクソでやりますわ」と、熊谷組の社長が遂には折れる。かなりの部分作り話だと思うが、こういう経営者がいたのかもしれんと思うと、少し胸が熱くなる。泣けます。◉当社は来期の計画を作る時期ですが、企業経営とってに目指すべき高みというのは、誠にもって大切としみじみ思います。無理だろうが向こう見ずだろうが、ゴールがはっきりしてりゃ社員は頑張る。やるべきだからって盛沢山のゴールを設定してもダメよ。

AI

2017年4月30日、日曜、晴れ。◉日経を見ていると、AIはすっかり日常単語になったと思う。もう全く実用技術で、家庭に入り込むのも時間の問題だろう。1990年代半ばに興味趣味の世界だったネットは十年ほどで主要メディアになった。AIの浸透には五年かかるまい。◉コンピュータと、ロボットと、AIが揃えば、大抵の人間の仕事はできると思う。というかできん事って何だ?『鉄腕アトム』でロボットが大統領になる話があったと記憶するが、政治もできると思う。◉そこまで行かんでも、会社経営者にとって夢のような話である。企業理念で世の為人の為とか、人財第一とか謳っても、経営資源として見れば社員ほど厄介なものはない。とにかく粒が揃わない。やる事なす事バラバラで、同じ方を向かせるだけで一苦労。「早う全社員を機械化したい」のが本音である。◉これだけ科学と技術が発達したのに、未だに社員が必要な理由は、突き詰めれば(1)対人間相手、(2)何か考え出す、の二つではないかと思う。特にキカイは二番目が苦手だっったが、将棋のプロを負かしたり、病気の診断ができるほどに進化すれば、もうちょっとで人間と同じっしょ。◉素晴らしい時代がやってくる。もう給料も、残業も、ボーナスも、保険も、年金も、労災も、福利厚生も、採用も考えなくて良いのだ。そもそも人事自体が必要ない。考えるのは設備投資だけ、プランはAIが立案する。まさにユートピアだ。

休日

2017年4月23日、日曜、快晴。◉毎朝大抵は5時ごろ起床する。寝るのは午前零時近くである。全体として睡眠時間は短くても済む方だ。が、最近テレビで聞いた話では本来は8時間半眠るのが生体リズムらしい。◉睡眠不足は休日の寝溜めで補っているが、年齢と共に一日では回復しなくなってきた。朝一旦目覚めても起きる気になれない。それで本(今日は『細雪』少しと、高野文子のマンガ『黄色い本』)を読んだりする内に、すぐ又うたた寝してしまう。ばさっと本を落として気がついて読書に戻る。◉それを繰り返して昼ごろまでベッドにいる。当然朝食は取らず、昼食に呼ばれて初めて起き出す。こういう状態にあまり文句を言わない妻には感謝する。一人だったら全く家事が追いつかない。定年になったら離婚を切り出されそうで不安だ。◉午後は一週間溜まった録画番組を見なくてはならない。この四月からは岡田惠和の「ひよっこ」と、倉本聰の「安らぎの郷」の両方を録ってあるから消化するのが大変なのだ。しかしこれも一二時間で体力が続かず横になる。するとまた寝てしまう。気がつくと四時近くになっている。◉まあ今日は名古屋市長選挙があったので、昼食後に投票に出かけたが、イベントもなく天気が悪ければ、土日を通じてどこにも行かずぼーっとしている。横になれば際限なく眠れる。さすがにマズいわ。夕方無理をして自転車でコーヒーを飲みに行った。明日はまた採用面接だぜっ。

 

f:id:bootonChina:20170423200048j:plain

マンガ(2)『アイアムアヒーロー』

2017年4月16日、日曜、晴れ。◉昨日マンガ喫茶で大ちゃんに会った。自転車ですぐ気づいたらしい。出会っても別々にマンガを読むだけですが。◉『アイアムアヒーロー』が完結した。ゾンビものは細部が徹底して現実感がある方が良い。絵作りは大変だろうけどその方が絶対怖くなる。緊迫感も出る。本作は巧くいったと思う。◉このジャンルは結末が難しい。何と言ってもゾンビ側が圧倒的に強力なわけで、あんな連中を相手に、全部を駆逐して地球に平和が戻りました、なんてのはまあ無理です。かと言って延々ゾンビと格闘した挙句、結局は全部やられちゃいました、だと不毛の行いという印象になる。ゾンビではないが似たジャンルとして「寄生獣」が傑作なのは、この辺の処理が大変良くできていたからだ。◉ちなみにこの作品もちゃんとしたSFだ。オカルティズムや不条理で怖がらせているマンガではない。ゾンビの発生はなんかの細菌感染が原因で、ゾンビによって世界が変質していく過程には(全部が開示されなくても)一貫した理屈がある。だからやろうと思えば対抗策はある。体力勝負でゾンビ殲滅まで持ってく手はある。それだと「バイオハザード」だな。◉ただ自分にはこうした怪奇や恐怖を扱った作品に明確な基準があって、要するに「怖い事」です。逆に怖くなけりゃ話の辻褄が良くできていても、作品として価値がない。自分としては結構怖かったし、それなりに堂々と着地したと思う。

総務

2017年4月9日、日曜、雨。◉総務に関係している。謂わゆる何でも屋です。検索してみると、受付、福利厚生、固定資産・備品・消耗品管理、保安・防災・セキュリティ・安全衛生、健康管理、慶弔対応、秘書、株主総会・行事開催・IR、文書管理、社内外広報・HP、官公庁・地域との渉外、社会貢献活動、環境対策、リスクマネジメント、業務委託管理など、いくらでも仕事がある。◉トイレの紙がありません、鍵が落ちていました、鳩の死骸があります、製造部の山田氏が経理の佐藤さんを道連れに屋上から飛び降りようとしています。総務としてはどれも放って置けない。◉総務部以外の部署には主業務というのが決まっていて、それだけやってりゃイイという枠がある。(ラインで組立て中の鈴木君は、先輩山田社員の無理心中は看過して良い)総務はその逆で「会社の維持に必要で担当部署が特にない」事はたいてい業務になる。◉故に基本的には会社を継続すれば、業務はいくらでも増加する。ネットなんて二十年前までジャンル自体が無かった。総務の仕事は必要への対応であって、儲けとかモノとか効果が見えない。だから総務にマンパワーをかける事はない。でもそろそろヤバイ。◉コップに豆をザラザラと入れる。縁まで一杯になっても、まだ豆は盛り上げて置ける。もう限界かなと思っても慎重にやればまだ一個二個は置けたりする。でも無限に豆が積めるはずはなく、いつかは崩れてしまうのだ。

映画(9)天国と地獄

2017年3月31日、金曜、雨。◉BSで放送した『天国と地獄』をまた録画して見てしまう。もう何回目か分からない。今回は脅迫電話のシーンの構図と展開にほとほと感心した。◉電話は何度もかかる。その度に少しでも会話を聞き取ろうと、受話器を握る三船敏郎を中心に、身を寄せる人物の構図が、毎回実に決まっている。そしてカメラが少し動くと、遅れて部屋にきた香川京子の心配そうな顔が遠景にある。◉電話が鳴りだしてから俳優が集まって構図を作るので、リハーサルは大変な回数だったと思う。もう一つ感心したのは刑事が持ち込んだテープレコーダーの使い方。犯人とのやりとりをカットし、録音再生で見せることで場面に変化がつく。と同時に状況が整理できる。◉もっとも見ているうちはこんな事を考える余裕は全くない。どんどん映画に引き込まれる。犯人は一体どうやって身代金を手に入れるつもりか?息つく暇もなく場面はあの有名な特急こだまのシーンに切り替わる。この転換の鮮やかな事。◉黒澤映画はディティールの厚みが凄くて毎回発見がある。今回の発見は(1)脇役で出ている大滝秀治は一言もセリフがない。タイトルロールにも名前はない。(2)酒場のシーンのお品書きは日本語、英語とハングルも併記されている。(3)魚河岸で働く男は声からすると(いや容貌もだけど)声優の大塚周夫ねずみ男)である気がしてならない。ただ口の動きから見てアフレコかも知れない。

f:id:bootonChina:20170402165214j:plain

f:id:bootonChina:20170402165254j:plain

f:id:bootonChina:20170402165430j:plain

f:id:bootonChina:20170402165500j:plain

f:id:bootonChina:20170402165528j:plain

 

台本

2017年3月25日、土曜、晴れ時々曇り。◉集客行事のナレーション台本を作っている。と言っても、毎年使い回しの内容を今年版に修正するのだ。女性担当者がきめ細かにメンテしてきた本で、毎年の開催状況に100%寄り添って書かれている。◉「発表者の何の何某さんをご紹介します」みたいな調子でアドリブなし。読み上げるだけで全部OKです。これをパワーポイントを投影しがら演る。それで台本のナレーションの横にはpptの画面が並んでいるが、これでつまづいた。◉データがワードなのだ。ppt画像をコピーして貼るとき寸法が指定できない。馬鹿でかい画像が一旦配置されるので、修正しているうちに隣のナレーションと位置がズレてしまう。本文は遥か彼方までつながっているので、台本全体に破綻が生じる。◉世にワードほど使いにくいソフトは無い。特に位置決めについては邪魔しかしない。電算チームに相談してもワード聞いただけで絶望的な表情を浮かべる。今までの担当は一体どんな忍耐力で、この作業を乗り越えてきたのか。金曜丸一日データと格闘したが諦めた。年寄りには無理。明日休日出勤してもう最初からエクセルで作り直す。そう決めた。◉台本に所々黒い四角がある。それが一個だったり二個だったりする。前担当者に聞いてみた。PCのクリックの合図だという。二個の四角ならダブルクリック。そ、そこまでやるのかっ。どこの総務でも女性はこうなんでしょうか。